第179章 君に約束する

有川紘樹にあれだけ罵られて、佐伯薫もようやく背筋が冷えた。自分が取り返しのつかないことをしでかしたと理解した途端、顔から血の気が引き、身体がぐらりと揺れる。

「紘樹、こんなことになるなんて……私、わざとじゃないの。本当に……お願い、何とかして……助けてよ……紘樹……」

泣き出しそうな声で、言葉はちぐはぐだ。それでも必死に、ようやく形になった一文だけを吐き出す。

そう言いながら彼女は紘樹の横へにじり寄り、垂れたままの大きな手にしがみついた。命綱に縋るみたいに、指先が白くなるほど強く。

それでも有川紘樹は動かない。

佐伯薫は腹を括ったのか、次の瞬間――

「……っ」

どさり、と膝をつ...

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